介護ベッドと電動ベッドの違いって?用途別に選び方を解説
近年、ご自宅で快適に過ごすためのアイテムとして「電動ベッド」や「介護ベッド」が注目されています。どちらもリモコン一つで背もたれや脚の角度を調整できるという共通点がありますが、実はその用途と機能には大きな違いがあります。
今回は、それぞれのベッドの特徴を解説し、あなたの目的に合った最適な選び方をご紹介します。
Contents
1. 介護ベッドと電動ベッドの決定的な違いは「用途」
最も重要な違いは、そのベッドが何を目的として作られているかです。
| 項目 | 介護ベッド(介護用電動ベッド) | 電動ベッド(リラックスベッド) |
| 主な用途 | 介護する方・される方の負担軽減と安全性の確保 | 快適な睡眠とリラックスタイムの充実(読書、映画鑑賞など) |
| 設計思想 | 介護のしやすさ・安全性が最優先 | 寝心地・リラックス・デザイン性優先 |
| 機能面 | ベッド全体の高さ調整が必須機能とされることが多い | 背もたれ・脚の角度調整が基本 |
| サイズ | 介護のしやすさを考慮し、幅が狭い(80〜91cm程度)ものが主流 | 一般的なベッドと同じく幅広いサイズ展開(シングル・セミダブルなど) |
| デザイン | 介護に必要な機能に特化しているためシンプルなデザインが多い | インテリアに馴染む多様でおしゃれなデザインが多い |
💡 知っておきたいポイント
元々「電動ベッド」は「電気で動くベッド」全般を指す言葉でしたが、介護の専門性が高まるにつれて、現在は「介護ベッド」と「リラックス用の電動ベッド」が区別して呼ばれるようになっています。
2. 【用途別】最適なベッドの選び方
あなたの利用目的に合わせて、必要な機能を持ったベッドを選びましょう。
🌟 選び方1:介護・介助が必要な場合(介護ベッド)
ご自身やご家族の日常生活における動作の介助が必要な場合は、「介護ベッド」を選びましょう。
必須機能:3モータータイプがおすすめ
介護ベッドを選ぶ上で、ベッドの「高さ調整機能」は非常に重要です。介護ベッドは、背もたれと脚の角度に加え、ベッド全体の高さを調整できる3モーター(3か所を個別に動かせる)のものが主流です。
| モーター数 | 調整できる箇所 | 主な用途 |
| 3モーター | 背上げ・足上げ・高さ | 立ち上がり介助、オムツ交換、車椅子への移乗など多様な介護が必要な場合 |
| 2モーター | 背上げ・足上げ | 寝起き介助は必要だが、自力でベッドの高さを超えて立てる場合など |
マットレスも重要
体圧分散性に優れ、寝たきりの方でも床ずれ(褥瘡)を防げる介護専用マットレスを選ぶ必要があります。
費用負担の軽減について
「介護ベッド」の特定の要件を満たすものは非課税になります。また、要介護認定を受けている方は、介護保険を利用してレンタルすることも可能です(レンタルの方が費用を抑えられるケースが多いです)。
🌟 選び方2:リラックスや快適な睡眠が目的な場合(電動ベッド)
自力での寝起きや立ち上がりに問題がなく、ベッドの上で快適に過ごしたい場合は、「電動ベッド」を選びましょう。
機能は1モーターまたは2モーターが主流
リラックスが目的なので、背もたれと脚を動かせる2モーターや、背もたれのみを動かせる1モーターで十分な場合が多いです。
デザインと寝心地で選ぶ
電動ベッドはデザインが豊富で、キャビネット付きやモダンなものなど、お部屋の雰囲気に合わせて選べます。また、寝心地を重視した高密度なスプリングマットレスが使われていることも特徴です。
サイズの選択肢
シングルだけでなく、セミダブルなどゆったりとしたサイズを選べるのも電動ベッドのメリットです。
3. まとめ:目的を明確にして最適な一台を
| 用途 | おすすめのベッド | 重要な機能 |
| 介護が必要(介助を受ける・する) | 介護ベッド | 3モーター(高さ調整機能) |
| リラックス・安眠の追求 | 電動ベッド | 寝心地、デザイン、1~2モーター |
「電動」という共通点に惑わされず、「誰が、どのように、何のために使うのか」という目的を明確にすることが、後悔しないベッド選びの第一歩です。
購入やレンタルを検討する際は、専門の店舗や福祉用具相談窓口で、実際に機能や寝心地を試してみることを強くおすすめします。
